恋はちっぽけ。私のは。
「お前に釣り合うわけねーよ」
「…あはは、だよねー」
そう言うしかなかった。
友達に言われた言葉が一番グサッとくる。ダーツみたいに中心に刺さる。
「ちょっと言いすぎだよ~、香央梨《かおり》」
「そんなわけないよーw」
そんな反論できない私はふと廊下を見た。
「あ、」廊下では桐谷くんがいた。
「噂をしたら桐谷君じゃん?いかないの?里桜《りお》」
「だ、いじょぶ」やっとの思いで言った。
「私はっしゃべっちゃだめだから!購買言ってくる!」
いつも弱気な私はいつも弱気な私は、この時だけ強がってみた。
桐谷くんを見ると泣きたくなる。
自分が弱いから。
それを隠すために廊下を走り階段の踊り場でうずくまった。ここなら見えないから。
「っふ、うっ、うあっ」
涙があふれて止まらない。
なんでなの。なんで私はこうなの。
「…あ、チャイム…」
「まあ、いっか…」
私はフラっと空き教室へ行った。「っは、ひっ、うあぁ」
桐谷くんを見ると涙があふれてくる。
好きで、好きで、どうしようもない。
でもこの気持ちがもし本人にバレてしまったら。
気持ち悪いって思われて嫌われたら。
桐谷くんは優しいからきっと、そんなことしないだろうけど。でもやっぱり怖いよ……。
私は空き教室で一人泣きじゃくった。
いつの間にか寝てしまっていた私をチャイムの音が起こした。涙の跡を拭いながら授業に出る準備をする。でも桐谷くんをみるとまた泣きそうになる。
「っ」
「おい、里桜。お前大丈夫か?顔色悪いぞ」
私の席の横で友達の辻《つじ》君が心配そうな顔をして言った。
「だ、いじょぶ……。ちょっと、具合悪いから保健室行ってくる……」
私は友達にそう言い残し保健室へと向かった。
授業中だし誰もいなくて静かだ。少し安心した。
「失礼しまーす」
私は勢いよく起き上がった。この声を聴いたことがあったから。「あ、里桜ちゃん!おはよー!」
この元気な声の主は……。
「か、香央梨!?なんで……」
「えへへ~、きちゃった!」
まるで子供のように舌をペロッと出して笑った。香央梨は私に近づいてきて言った。
「ねえ、なんで泣いてたの?」「え、あ……えっと……」
私はなんて答えればいいかわからなかった。
香央梨は、桐谷くんのことが好きで私にライバル心を持っていたから。私が泣いたら絶対嫌な気分になると思ったから。
「……泣いてた理由を教えてよ」
「いやっ、それは……その」
「言えない?」
香央梨はゆっくり近づいてきた。そして私の顎に手を当て言った。「じゃあ、当ててあげる。桐谷君でしょ?」
「……っ!」
当たってる。なんで分かったの?香央梨は怖い目をして言った。
「ねえ、里桜ちゃん。もしかしてだけどさ、桐谷君のこと好きなの?」
「え……」
図星を突かれた私は動揺を隠せなかった。顔が赤くなるのを感じた。
「やっぱりそうなんだ~w」
香央梨は私を馬鹿にするかのような笑みを浮かべた。私は頭が混乱しすぎて何も考えられなかった。
「ねえ、里桜ちゃん。桐谷君のどこが好きになったの?」
「そ、それは……」
私は桐谷くんの好きなところを思い返すように頭に思い浮かべた。けど考えれば考えるほど涙が出てくる。
「……言えないみたいだね~。まあいいや、とりあえず今日は帰りなよ」
香央梨は笑顔で言った。
「え……?」
「ほら早く!みんなきちゃうよ!」香央梨は私の背中を押して私を保健室から出した。
「じゃあね、里桜ちゃん!」
香央梨の声が聞こえたけど私はそれどころじゃなかった。
とりあえず家へ帰った。帰ってすぐ自分の部屋に入ってベッドに転がった。
「…あはは、だよねー」
そう言うしかなかった。
友達に言われた言葉が一番グサッとくる。ダーツみたいに中心に刺さる。
「ちょっと言いすぎだよ~、香央梨《かおり》」
「そんなわけないよーw」
そんな反論できない私はふと廊下を見た。
「あ、」廊下では桐谷くんがいた。
「噂をしたら桐谷君じゃん?いかないの?里桜《りお》」
「だ、いじょぶ」やっとの思いで言った。
「私はっしゃべっちゃだめだから!購買言ってくる!」
いつも弱気な私はいつも弱気な私は、この時だけ強がってみた。
桐谷くんを見ると泣きたくなる。
自分が弱いから。
それを隠すために廊下を走り階段の踊り場でうずくまった。ここなら見えないから。
「っふ、うっ、うあっ」
涙があふれて止まらない。
なんでなの。なんで私はこうなの。
「…あ、チャイム…」
「まあ、いっか…」
私はフラっと空き教室へ行った。「っは、ひっ、うあぁ」
桐谷くんを見ると涙があふれてくる。
好きで、好きで、どうしようもない。
でもこの気持ちがもし本人にバレてしまったら。
気持ち悪いって思われて嫌われたら。
桐谷くんは優しいからきっと、そんなことしないだろうけど。でもやっぱり怖いよ……。
私は空き教室で一人泣きじゃくった。
いつの間にか寝てしまっていた私をチャイムの音が起こした。涙の跡を拭いながら授業に出る準備をする。でも桐谷くんをみるとまた泣きそうになる。
「っ」
「おい、里桜。お前大丈夫か?顔色悪いぞ」
私の席の横で友達の辻《つじ》君が心配そうな顔をして言った。
「だ、いじょぶ……。ちょっと、具合悪いから保健室行ってくる……」
私は友達にそう言い残し保健室へと向かった。
授業中だし誰もいなくて静かだ。少し安心した。
「失礼しまーす」
私は勢いよく起き上がった。この声を聴いたことがあったから。「あ、里桜ちゃん!おはよー!」
この元気な声の主は……。
「か、香央梨!?なんで……」
「えへへ~、きちゃった!」
まるで子供のように舌をペロッと出して笑った。香央梨は私に近づいてきて言った。
「ねえ、なんで泣いてたの?」「え、あ……えっと……」
私はなんて答えればいいかわからなかった。
香央梨は、桐谷くんのことが好きで私にライバル心を持っていたから。私が泣いたら絶対嫌な気分になると思ったから。
「……泣いてた理由を教えてよ」
「いやっ、それは……その」
「言えない?」
香央梨はゆっくり近づいてきた。そして私の顎に手を当て言った。「じゃあ、当ててあげる。桐谷君でしょ?」
「……っ!」
当たってる。なんで分かったの?香央梨は怖い目をして言った。
「ねえ、里桜ちゃん。もしかしてだけどさ、桐谷君のこと好きなの?」
「え……」
図星を突かれた私は動揺を隠せなかった。顔が赤くなるのを感じた。
「やっぱりそうなんだ~w」
香央梨は私を馬鹿にするかのような笑みを浮かべた。私は頭が混乱しすぎて何も考えられなかった。
「ねえ、里桜ちゃん。桐谷君のどこが好きになったの?」
「そ、それは……」
私は桐谷くんの好きなところを思い返すように頭に思い浮かべた。けど考えれば考えるほど涙が出てくる。
「……言えないみたいだね~。まあいいや、とりあえず今日は帰りなよ」
香央梨は笑顔で言った。
「え……?」
「ほら早く!みんなきちゃうよ!」香央梨は私の背中を押して私を保健室から出した。
「じゃあね、里桜ちゃん!」
香央梨の声が聞こえたけど私はそれどころじゃなかった。
とりあえず家へ帰った。帰ってすぐ自分の部屋に入ってベッドに転がった。