完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!

 部長はこともなげに言う。

「十分、800万の働きはしてくれた」
「な、え……」

 私は言葉に詰まったまま。
 さっきのアレだけで800万なんて……ありえない。

 それをさらりと支払っちゃうなんて。そんなのって……。

 どんどん腹が立ってきた。怒りに震える私を部長が覗き込む。

 その曇りのない瞳を見てると、プチン、と私の中で何かがキレた。

「な、何やってんですか⁉︎ そういうお金の使い方、ダメに決まってるでしょ! お金大事ですよ! 一般人には大事すぎるんですよ! 800万なんて、そうそう貯められないですからね! そういう金額でもポンと出すとこ、ほんといけないと思いますよ⁉︎」
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