完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
 そう。あの時、私は社長に怒ってしまったんだ。
 だって社長は女性アレルギーの部長のお見合いを無理にしようとしてて、私はつい言ってしまった。

 ――私、絶対別れませんから! だからもちろん、これ以上のお見合いも反対です!

 社長は私たちが付き合ってると誤解してたから、それが一番だと思った。だって本当に付き合ってても酷い話だから。
 そして社長は言った。

 ――その覚悟があるなら、きちんとした形で付き合いなさい。まず同棲を始めるように。

 そして転がるように同棲まで事が運んでしまった。

 時間が巻き戻せるなら、あの時に戻って、キレる前の私に言いたい。
 社長の前では、そのお口をしっかり閉じておくように……と。
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