完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
元はと言えば、カチンと来ただけで『絶対別れません!』なんて言った自分のせい。
部長はどちらかといえば巻き込まれた被害者だ。
なのに私だけあたふたしてて、部長はずっと余裕の笑みなのはどうして?
しかも昨日はバイト契約だと言ってたくせに、いざ引っ越した今日から、ここぞとばかりに結婚契約に変えようとしてくるのもなんで?
部長をチラリと見ると、彼は目尻の皺を深めた。
その笑顔が非常に有害なのだ。以前は頼りがいのある笑顔だと思っていたけど、今はどうも落ち着かない。
「芽衣だって、俺との結婚はメリットばかりだぞ。結婚すれば高峰医院だって堂々と支援してやれる。親戚付き合いは少々面倒だが、芽衣なら物怖じもしないだろうしな」
「結婚って、メリットデメリットでするわけじゃないですよ。私、好きになった人とごくありふれた結婚がしたいんですから」
「俺を好きになればいいだろ?」
はい? と首をひねった私に、部長はなにがだめなんだ? と首をひねる。
わかってもらえなさ過ぎて泣きそう。
「無理ですよ! 好きになろうとして好きになれるわけない」
そもそも私は、異性をかっこいいと思うことはあっても、恋愛として好きになったのは中学1年の初恋以来ない。恋愛しにくい体質なのだ。
こっちこそ好きになれるならなりたいくらいなのに。いや、部長だって好きとかじゃないくせに!
「芽衣はどんな男が好きなんだ?」
「知りませんっ!」
「そうか。自分で考えろってことだな」
「……前向きすぎる」
思わず突っ込んでしまった。
部長はどちらかといえば巻き込まれた被害者だ。
なのに私だけあたふたしてて、部長はずっと余裕の笑みなのはどうして?
しかも昨日はバイト契約だと言ってたくせに、いざ引っ越した今日から、ここぞとばかりに結婚契約に変えようとしてくるのもなんで?
部長をチラリと見ると、彼は目尻の皺を深めた。
その笑顔が非常に有害なのだ。以前は頼りがいのある笑顔だと思っていたけど、今はどうも落ち着かない。
「芽衣だって、俺との結婚はメリットばかりだぞ。結婚すれば高峰医院だって堂々と支援してやれる。親戚付き合いは少々面倒だが、芽衣なら物怖じもしないだろうしな」
「結婚って、メリットデメリットでするわけじゃないですよ。私、好きになった人とごくありふれた結婚がしたいんですから」
「俺を好きになればいいだろ?」
はい? と首をひねった私に、部長はなにがだめなんだ? と首をひねる。
わかってもらえなさ過ぎて泣きそう。
「無理ですよ! 好きになろうとして好きになれるわけない」
そもそも私は、異性をかっこいいと思うことはあっても、恋愛として好きになったのは中学1年の初恋以来ない。恋愛しにくい体質なのだ。
こっちこそ好きになれるならなりたいくらいなのに。いや、部長だって好きとかじゃないくせに!
「芽衣はどんな男が好きなんだ?」
「知りませんっ!」
「そうか。自分で考えろってことだな」
「……前向きすぎる」
思わず突っ込んでしまった。