完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
私がレタスをちぎり終わる頃には食事の用意はあらかた終わり、大河さんはどこからかワインも出してくれた。
二人でテーブルにつき、手を合わせ「いただきます」と声がかぶる。つい笑ってしまった。兄が医師になってからは忙しくて一緒に食事をとることもなかったのですごく新鮮。
パスタをフォークに巻き付け、一口食べるなり思わず叫んでしまう。
「すごっ! おいしい!」
「だろ。ちなみに俺は家事はすべてできる。芽衣がどうしても仕事を続けたいというなら仕事は続けたらいいと思う。それくらいは支援できる。子どもについても同様だ。だから、俺となら結婚しても問題ないだろ」
「……何の話ですか」
「ただのプレゼンだ。俺と結婚してもいいことばかりだというな」
「そうですか、私には関係ない話ですけどね」
「こんな条件のいい男は他にいないぞ?」
「条件で好きになるわけじゃないですから。大河さんがアルバイトでも貧乏病院の医師でも、男性としての評価は今と同じです」
ピシャリと言うと、大河さんはハハッと楽しそうに笑った。