完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
食事の後、ソファに移動してワインをもう一杯勧められてお代わりしていた。大河さんはチーズを切ってきてくれて、隣で同じように呑んでいた。
「大河さんも普段ワインを飲むんですか? これすごくおいしいです」
「それはよかった。俺は普段はビールか日本酒が多いかな。でも芽衣はワインが好きだろ。歓迎会の時、おかわりしてたから、今日帰りに適当に何本か見繕ってきた」
「え……わざわざ買ってきてくださったんですか?」
「買い出しのついでだ」
「大河さん、仕事でも相手をよく見てますもんね。私も見習わないと」
こういう相手のことを普通に気遣えるところは素直にすごいと思う。
やっぱり上司としては尊敬してるし、嫌いというわけではない。恋愛感情は持てないというだけで。
大河さんは少し考え口を開いた。
「何か勘違いしてるだろ。俺は覚えは悪い方ではないが、わざわざプライベートな面まで覚えてるのは芽衣のことだけだぞ。興味がある相手のことはよく見てるというだけだ」
「……え?」