完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
「そんな変態男の裸を間近で見るなんてショックだろう」
「きっとそうなんだろうな。あれだけ毎日話してた好きな男子の話も一切しなくなった。でもそれ以外は特に変わりないんだ」
彼女にとって恋は特別で、日常を彩るものだったんだろう。それがある日を境に変わった。
俺にはよく分かった。中学一年という年齢は、大人びて見えても、理不尽な人間が起こした出来事を冷静に処理するにはまだまだ幼い。
「妹はそんなに強くない。威勢がいいのは最初だけなんだ。まぁ、一時的なものかもしれないからゆっくり様子を見るよ」
「そうか。一時的なものだといいな」
それは本心だった。英雄はじっとこちらを見た。