完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
「……大河は今でも思い出す?」
「いや、もう思い出しはしない。でも、体が拒絶反応を起こしてこのザマだ。恥ずかしいよ」
「普通体のほうが正直なんだ。大河はなんでも我慢できてしまうからね。体が自分で調整してるだけ。恥ずかしいことなんかじゃないさ」
「ありがとう」
俺が中学1年に上がったころ、俺には家庭教師が3名いた。
そのうち一人は、香水の香りが少し苦手な女子大生だった。
実は彼女の実家の家業の資金繰りが苦しく、父に取り入ろうとしていたと後で聞いた。
しかし父はもちろん家庭教師と会うことはない。それなら俺から篭絡すれば、と思ったらしい。
彼女は自分から脱いで俺を押し倒してきた。俺は当時体も小さく力もそれなりで、相手の力の方が強かった。大声で叫んだ俺を屋敷の使用人が助けた。
もちろんその女は家庭教師は首になったが、俺も父に怒られた。俺にも隙がある。そして鳳月家の人間であれば、あれくらいは自分で何とかできないといけない、と。
それからは体も鍛えた。周りには一切隙を見せないできた。
ただ強くなればなるほど、女性が近くに来るとアレルギーのような症状が出るようになった。英雄の父親に相談して、そっと薬を処方してもらうようになった。それからはずっとだ。