完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
「じゃあ、返すのも無理よね⁉︎」
「生活費を削ればなんとかなるよ」
「払い終わる前に兄さんが倒れる! だめよ、絶対!」
思わず声を荒げてしまう。
今すでに兄も生活費を削っていた。
幼少期に母、8年前に父も亡くなっているので、もう兄まで亡くしたくない。
その気持ちは兄もわかってくれてると思ってたのに……。
頭を抱える私に、兄はショボンとする。
「でも機械自体も法外な価格ってわけでもないし……実際担保がないと借金なんてできないし……」
「お願い、今すぐ機械返してきて!」
「だめ、これがないと患者さんが」
「これがあると患者さんが行く場所がなくなるかもしれないんだよ?」
「でも……これがないと本当に困る患者さんがいるんだ。うちには妊婦さんもくるし、高齢の方の胃腸の検査だって遠くの病院までいけないし」
兄はこういうときに絶対に引き下がらない。
それは知ってた。せめてその強情さの一部でも治療費回収にあててくれればと思わずにいられない。
私はぐ、と手を握った。
とにかく今は、少しでも借入れを減らすしかない。
「生活費を削ればなんとかなるよ」
「払い終わる前に兄さんが倒れる! だめよ、絶対!」
思わず声を荒げてしまう。
今すでに兄も生活費を削っていた。
幼少期に母、8年前に父も亡くなっているので、もう兄まで亡くしたくない。
その気持ちは兄もわかってくれてると思ってたのに……。
頭を抱える私に、兄はショボンとする。
「でも機械自体も法外な価格ってわけでもないし……実際担保がないと借金なんてできないし……」
「お願い、今すぐ機械返してきて!」
「だめ、これがないと患者さんが」
「これがあると患者さんが行く場所がなくなるかもしれないんだよ?」
「でも……これがないと本当に困る患者さんがいるんだ。うちには妊婦さんもくるし、高齢の方の胃腸の検査だって遠くの病院までいけないし」
兄はこういうときに絶対に引き下がらない。
それは知ってた。せめてその強情さの一部でも治療費回収にあててくれればと思わずにいられない。
私はぐ、と手を握った。
とにかく今は、少しでも借入れを減らすしかない。