完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!

「なんですか」
「ほんと強情だなぁと思って」
「そう言いながら嬉しそうな顔するのやめてくださいっ……んふぁ!」

 突然唇が奪われた。驚いて目を白黒させると、唇はすぐ離れた。

「キス、嫌じゃなかったんだろ?」

 勝ち誇った顔で大河さんが言う。
 そこも聞いてたのね!

 彼はなだめるみたいに優しく私の髪を撫でる。

「俺は芽衣とキスするのが好きだよ。そんなふうに思える相手は絶対芽衣以外いない。だから結婚しよう?」

 流れるようにプロポーズするのはやめてほしい。
 おかげで心臓がドキドキうるさい。顔がいいんだから余計。しかもそれも自覚してやってそうで狡い。
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