完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
「結婚って……絶対、社長は猛反対ですよ。私のせいで大河さんの家族仲が悪くなったら嫌です」
「芽衣は気にするだろうと思って解決しておいた。父ももう賛成してくれてる」
「え、うそ……」
いつの間に⁉ あの最初の日の社長を思えば、無理だと思うんだけど……。
疑いのまなざしを向ける私に大河さんは微笑む。
「本当だ。と言っても俺だけの力じゃない。高峰兄妹にそっくりな君たちのおじいさんのおかげだ」
「祖父? どういう意味ですか?」
「俺の祖父も昔、君のおじいさんに助けてもらったことがある。俺が英雄と仲良くなったのも、英雄の家の病院に通いだしたのも、祖父から高峰医院のことを聞いていたからだ。祖父はもちろん結婚には賛成で、父に助言してもらっただけ。父は祖父には逆らえないんだ」
私の父も祖父も、兄と同じように人が良かった。
聞いてみると昔会長は事故にあって、記憶もない、お金もない、誰かもわからないまま私の祖父が助けたらしい。会長は病院への援助を申し出たけど、祖父は断ったという。
なんとも祖父らしい話で、それに嘘はなさそうだ。
しかし、反対されてたところまでクリアになってしまうと、困ってしまう。