完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
「後継ぎだと政略結婚とかしなきゃならないんじゃないですか?」
「政略結婚しなければ基盤が揺らぐような規模の会社だと思うか?」
「……思いません」

 本当に条件面でも私と結婚可能なの?
 ありえない。どこかに穴がある。そう思ったところで、大河さんが口を開いた。

「ただ、子どもは必要だ。鳳月家を守ることは大事だと俺も思ってる」
「……」

 つまりそれは、子どもができるようなことをするってことで……。
 一瞬で涙目になった私に、大河さんが優しい声を出す。

「そこはね、伝えておかないとフェアじゃないから伝えておく。ついでに俺は芽衣としか子を成す気はないってこともね」

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