完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
そんな日々の中、会社の部内会議で私の担当先をドサッと増やされた。もちろん大河さんにだ。
こんなにできるものかなと不安な顔をしてる私に、会議後、安西さんが声をかけてきてくれた。
「増えたの全部今担当してる串本フーズの関係先よ。全部で一回りだから、仕事が見えやすい。あなたならこれだけの担当ができると踏んだだけのことよ」
「え?」
安西さんはムスッとしながら続ける。
「最初、『海外事業部の仕事を教えてやってくれ』『高峰がどういう人間か、仕事の取り組み方も含めて分かってもらえると思う』って私と組ませたの知ってる?」
「いえ……」
そんなの初めて聞いた。安西さんは続ける。
「でも、本当に仕事は認めざるをえなかった」
「あ、ありがとうございます」
「別に大河くんの相手として認めたわけじゃないから!」
「それはもちろんです」
私と大河さんは身分も何もかも違う。認められないのも当たり前のことだ。
だけど、最初のきっかけはどうあれ、仕事で安西さんに認めてもらえたのは嬉しいことだった。
頰が緩んだ私を見て安西さんはさらにムッとし、「ちなみに」と続ける。
「大河くんのあなたへの視線が甘すぎて、会社のみんなにももう気づかれてるから覚悟してた方がいいわよ」
「はい⁉」
「でもそのベタ惚れな感じが、逆に大河くんファンを増やしちゃってるんだけどね」
安西さんは「みんなノンキすぎて呆れる」と呟いて、歩いて行ってしまった。
こんなにできるものかなと不安な顔をしてる私に、会議後、安西さんが声をかけてきてくれた。
「増えたの全部今担当してる串本フーズの関係先よ。全部で一回りだから、仕事が見えやすい。あなたならこれだけの担当ができると踏んだだけのことよ」
「え?」
安西さんはムスッとしながら続ける。
「最初、『海外事業部の仕事を教えてやってくれ』『高峰がどういう人間か、仕事の取り組み方も含めて分かってもらえると思う』って私と組ませたの知ってる?」
「いえ……」
そんなの初めて聞いた。安西さんは続ける。
「でも、本当に仕事は認めざるをえなかった」
「あ、ありがとうございます」
「別に大河くんの相手として認めたわけじゃないから!」
「それはもちろんです」
私と大河さんは身分も何もかも違う。認められないのも当たり前のことだ。
だけど、最初のきっかけはどうあれ、仕事で安西さんに認めてもらえたのは嬉しいことだった。
頰が緩んだ私を見て安西さんはさらにムッとし、「ちなみに」と続ける。
「大河くんのあなたへの視線が甘すぎて、会社のみんなにももう気づかれてるから覚悟してた方がいいわよ」
「はい⁉」
「でもそのベタ惚れな感じが、逆に大河くんファンを増やしちゃってるんだけどね」
安西さんは「みんなノンキすぎて呆れる」と呟いて、歩いて行ってしまった。