完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
 大河さんは女性アレルギーを克服した。私も変われるかな。大河さんとならできる気はするけど、彼を巻き込むことになる。

「気持ち悪くなっても、大河さんのせいじゃないですから」
「あぁ、知ってる」

 まっすぐ見つめた私の髪を彼は優しく撫でる。

「とは言っても芽衣にとっては急な話だから、俺のことを差し引いても覚悟できてないんじゃないか? 無理はするな」

 今からでも私が引けるように優しい声が聞こえる。

 考えてみたら、彼はいつも突然だった。急にアレルギーを告白されて、彼女のふりをさせられて。
 同棲だってあまりのスピードについていけなかった。

 それからだって急に好きだったと告白されて、船上でキスされて、毎日愛を囁かれた。

 ーー私はその全部が嫌じゃなかった。

 それが分かると、覚悟が決まった気がした。
 私は首をゆっくり横に振る。

「今がいいです」

 大河さんが目を細め、ふわりと唇が重なる。

 確かめるように何度もキスを交わしながら、彼の指先が私の首筋に優しく触れた。
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