完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
最終章:鳳月部長の秘密のせいで
 変な夢を見た。中学生の私に、中学生くらいの彼が手を差し出す。
 私はその手を握って笑って、彼も笑うのだ。

***

 朝、目を覚ますと、目の前に大河さんがいた。
 ベッドの中、裸のままで。

「おはよ」
「大河さん……」

 昨夜見た彼の裸は、まるで彫刻みたいで見惚れてしまった。
 気持ち悪くなるかもしれない、と不安な気持ちは全然なくなって「大丈夫そう」と呟いた私に、彼は嬉しそうに微笑んだ。

 大河さんはとにかく甘くて、優しくて。とろけそうな時間だった。
 大事に触れられながら、見たことのない大河さんを見れたのも幸せだった。
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