完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
 優しく彼が私の髪をなでる。私はうっとり目を瞑ろうとした。
 しかし次の瞬間、私は彼の胸に置いていた自分の左手を凝視する。

「これ、なんですか?」
「婚約指輪だ」
「婚約、指輪?」

 顔を青くして起き上がる。
 左手の薬指に光るダイヤは縦横五センチほどはあった。

「大きすぎでしょ⁉︎ っていうかいつ買ってたんですか!」
「同棲初日から準備してた。本当はもっと大きいのをあげたかったが、芽衣が嫌がるだろうから我慢してそれにしたんだ」

 彼は甘い瞳のまま笑う。譲歩してこれ?
 しかも同棲初日って早すぎでしょ!
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