キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
匠真の言葉に、嬉しさが込み上げる。


直接肌で感じる、匠真のぬくもり。

最初で最後かもしれない――。
そんな思いが脳裏を過ったけれど、慌てて消し去り、夢中で彼にしがみつく。


「辛い?」

「ううん。嬉しいの……」

「そんな可愛いこと言うなよ」


そう言った匠真は、私のことを強く抱きしめた。

……これが、最初で最後でありませんように。
そう強く願いながら、深い快楽に溺れた。


* * *

「身体、辛くないか?」

「はい。全然平気です」


30分程前に部屋に運ばれてきた食事を食べながら、私の体調を心配してくれる匠真。

私は口の中にある茶わん蒸しを飲み込みながら、彼との甘い時間を思い出していた。

確かに、今までしてきた中で1番激しかったような。
でも、身体は全然辛くない。

激しさの中にも、匠真の優しさがあるのだろうか。


「それより、食事も美味しいですね」


さっきのことを思い出すとなんだか恥ずかしくなって、慌てて話を逸らした。

とはいっても、食事が美味しいのは本当。
旬の食材がたくさん使われている料理で、すべてが美味しかった。

中でも、ふぐのお刺身が印象的。
初めて食べた食材だったけれど、身がとても新鮮で美味しかったのだ。
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