キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
今日は、トーストにスクランブルエッグ。サラダにウィンナーといった、洋食ラインナップ。

席について「いただきます」と言ってから、トーストを一口かじった。


「葵……一度、外科を受診してみたらどう?」

「うーん。でも、少し前の画像検査のとき『異常はない』って……」


少し前の診察のとき、レントゲンの検査をしてもらった。

そのときの診察で、明らかな異常はないと言われていた。
だから、この股関節の痛みと、直接的な関係はないと思うんだけど。


「そのときは大丈夫でも、今は違うかもしれないでしょう?」

「まぁ……そうかもしれないけど」

「葵、自分の身体のことでしょう? 手遅れになる前に検査しなさい」

「……わかったよ。時間があれば、受診してみる」


そう言ってスクランブルエッグを口に入れて、コーヒーを一口飲んだ。

母の言うことは間違ってはいない。

でも……怖いのだ。
もしも。もしもこの検査で、また『再発』だなんて言われたら。

またあの辛い抗がん剤治療をイチからスタートするのは、正直しんどい。

受診した方がいいってことは、自分が1番よくわかっている。

でも、怖さの方が勝るのだ。

もちろん、なにもない可能性だってある。
だけど……100%異常なし。なんてことは、きっとありえない。
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