キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
私だって、長生きしたいんだよ……。
そんな簡単な願いですら、私には許されないの?
「葵、すぐ入院だ。長い期間外科に携わってきた葵なら、レントゲン写真でわかるだろ?」
俯いたまま、小さく頷く。
匠真の言う通りだ。
自分の左股関節のレントゲン写真を見て、異常があることくらいわかる。
左大腿骨頭付近が、少しモヤが掛かっているように見えるレントゲン写真。
1番最初に、病気を告げられたときと同じ。
――癌細胞だ。
どうして『自分は大丈夫』なんて自信があったのかはわからない。
それでも、目の前のレントゲン写真は私の癌の再発をしっかりと伝えてきている。
それに加えて……
「第5腰椎に、転移しているじゃないか」
1ヶ所だけでは収まらず、腰椎にまで転移している癌。
股関節のレントゲン写真を撮影した際、わずかに映り込む腰椎。
そこにも、異常があるのがわかる。
「痛みがあったのに、黙ってたのか?」
「それは……! だって、怖いから……」
「怖い?」
「次、病気を告げられたら……もう長くないかもって。そんなの、怖い」
声を震わせながら、やっとの思いで気持ちを吐き出した。
上手く伝わったかはわからない。
でも、思いを吐き出してほんの少し気持ちが楽になった。
そんな簡単な願いですら、私には許されないの?
「葵、すぐ入院だ。長い期間外科に携わってきた葵なら、レントゲン写真でわかるだろ?」
俯いたまま、小さく頷く。
匠真の言う通りだ。
自分の左股関節のレントゲン写真を見て、異常があることくらいわかる。
左大腿骨頭付近が、少しモヤが掛かっているように見えるレントゲン写真。
1番最初に、病気を告げられたときと同じ。
――癌細胞だ。
どうして『自分は大丈夫』なんて自信があったのかはわからない。
それでも、目の前のレントゲン写真は私の癌の再発をしっかりと伝えてきている。
それに加えて……
「第5腰椎に、転移しているじゃないか」
1ヶ所だけでは収まらず、腰椎にまで転移している癌。
股関節のレントゲン写真を撮影した際、わずかに映り込む腰椎。
そこにも、異常があるのがわかる。
「痛みがあったのに、黙ってたのか?」
「それは……! だって、怖いから……」
「怖い?」
「次、病気を告げられたら……もう長くないかもって。そんなの、怖い」
声を震わせながら、やっとの思いで気持ちを吐き出した。
上手く伝わったかはわからない。
でも、思いを吐き出してほんの少し気持ちが楽になった。