キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
「忙しくなりそうだな……」
雲ひとつない秋空にポツリと呟いて、俺は葵の病室へ向かった。
* * *
それから2週間が過ぎた11月初旬。
俺は、朝から緊張していた。
今日は、俺にとっても葵にとっても特別な1日になると思う。
というのも。
今日は、式場で結婚式を挙げる。
もちろん、形だけではない。
正式な『夫婦』として、結婚式をしようと思っている。
森脇から葵の夢を聞かされたあの後。
個人的に森脇とコンタクトを取って、2人で時間を見つけて計画したのだ。
結婚式場には事情を説明すると、快く受け入れてくれた。
森脇もまだ産まれて間もない赤ちゃんを連れながらの準備で大変だっただろうが「矢田ちゃんの夢のためなら」と、一緒に計画してくれた。
もちろん、式は葵の身体に負担にならない程度で執り行う。
不思議なもので、俺たちの想いが葵に届いたかのように2日前くらいから葵の様態も安定していた。
「五十嵐先生、おはようございます」
ソワソワしながら電子カルテに入院患者の検査オーダーを出していると、森脇がやって来る。
相変わらず赤ちゃんを抱っこしているが、少し大きくなったか?
「ちょっと五十嵐先生、もう緊張されてます?」
「えっ……いや? 至って普通だ」
雲ひとつない秋空にポツリと呟いて、俺は葵の病室へ向かった。
* * *
それから2週間が過ぎた11月初旬。
俺は、朝から緊張していた。
今日は、俺にとっても葵にとっても特別な1日になると思う。
というのも。
今日は、式場で結婚式を挙げる。
もちろん、形だけではない。
正式な『夫婦』として、結婚式をしようと思っている。
森脇から葵の夢を聞かされたあの後。
個人的に森脇とコンタクトを取って、2人で時間を見つけて計画したのだ。
結婚式場には事情を説明すると、快く受け入れてくれた。
森脇もまだ産まれて間もない赤ちゃんを連れながらの準備で大変だっただろうが「矢田ちゃんの夢のためなら」と、一緒に計画してくれた。
もちろん、式は葵の身体に負担にならない程度で執り行う。
不思議なもので、俺たちの想いが葵に届いたかのように2日前くらいから葵の様態も安定していた。
「五十嵐先生、おはようございます」
ソワソワしながら電子カルテに入院患者の検査オーダーを出していると、森脇がやって来る。
相変わらず赤ちゃんを抱っこしているが、少し大きくなったか?
「ちょっと五十嵐先生、もう緊張されてます?」
「えっ……いや? 至って普通だ」