キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
このパンフレットも、森脇が準備期間中に持ってきたものだ。
葵に本当のことは言わず、あくまでも〝未来の話〟として、このパンフレットを見てもらっていた。
「結婚式をするなら」という話を持ち出し、葵が着たいウェディングドレスを選んだのだ。
それを森脇が記憶し、別のパンフレットに印を付けて、結婚式場へお願いした。
葵の願いは、すべて叶えるつもりだったから。
「あ、匠真。今日はいい天気だね」
「あぁ……そうだな。葵、このパンフレットは?」
俺も、パンフレットについてはなにも知らないテイだ。
「これ? 森脇さんが持って来てくれたの。『着るならどれがいい?』って。そんな予定、ないのにね……」
手に取ったパンフレットを再びベッドサイドに置いた葵の表情が、少しだけ曇った。
大丈夫だ。全部叶う。
これから、葵の夢がすべて叶うんだ。
「葵。実は今日、俺休みなんだよ。だから、少しドライブに行かないか?」
「えっ? 外、出ててもいいの?」
「あぁ。ここのところ、体調が安定してそうだし。主治医が『大丈夫だ』と判断したからな」
「えぇ……嬉しい。もうずっと室内だったから」
葵の表情が、一瞬で明るくなった。
外出できるくらいでこんなに喜んでもらえるとは思っていなかったから、この後どんな反応を見せるだろうか。
葵に本当のことは言わず、あくまでも〝未来の話〟として、このパンフレットを見てもらっていた。
「結婚式をするなら」という話を持ち出し、葵が着たいウェディングドレスを選んだのだ。
それを森脇が記憶し、別のパンフレットに印を付けて、結婚式場へお願いした。
葵の願いは、すべて叶えるつもりだったから。
「あ、匠真。今日はいい天気だね」
「あぁ……そうだな。葵、このパンフレットは?」
俺も、パンフレットについてはなにも知らないテイだ。
「これ? 森脇さんが持って来てくれたの。『着るならどれがいい?』って。そんな予定、ないのにね……」
手に取ったパンフレットを再びベッドサイドに置いた葵の表情が、少しだけ曇った。
大丈夫だ。全部叶う。
これから、葵の夢がすべて叶うんだ。
「葵。実は今日、俺休みなんだよ。だから、少しドライブに行かないか?」
「えっ? 外、出ててもいいの?」
「あぁ。ここのところ、体調が安定してそうだし。主治医が『大丈夫だ』と判断したからな」
「えぇ……嬉しい。もうずっと室内だったから」
葵の表情が、一瞬で明るくなった。
外出できるくらいでこんなに喜んでもらえるとは思っていなかったから、この後どんな反応を見せるだろうか。