キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
<sideー匠真ー>
『先生、脈が落ちてます!』
外来中、病棟のナースからコールがあった。
一瞬にして、血の気が引く。
俺は隣にいた大貫先生に事情を告げ、急いで病棟へと向かった。
全速力で廊下を走り、エレベーターに乗り込む。
……5階まで、遠すぎだろ。
早く、早く……。
焦る気持ちをなんとか抑えつつナースステーションに向かうと、同時に理学療法士の野瀬がナースステーションに現れた。
なにか言いたそうにしていたが、それどころではない。
「葵は?」
「今、酸素量増やしてます。でも、もう脈が……」
「すぐに家族に連絡」
「ドクターコールの前に連絡しました」
「了解」と吐き捨てるように言ってから、急いで葵のいる病室へと向かった。
頼む……頼むから間に合ってくれ。
まだ意識があるうちに、もう1度言いたいんだ。
『愛してる』と。
それだけ、伝えさせてくれ……。
「葵!」
ノックもせずに病室へ入ると、担当の大貫が酸素を増量していたところだった。
酸素10ℓでも、Spo2――血液酸素濃度は80%を切っている。
通常の酸素濃度は90%以上だ。
「い……五十嵐先生っ……」
半泣き状態になりながら、大貫は俺の指示を待っている。
乱れた呼吸を整えてから。
俺は静かに首を横に振った……。
『先生、脈が落ちてます!』
外来中、病棟のナースからコールがあった。
一瞬にして、血の気が引く。
俺は隣にいた大貫先生に事情を告げ、急いで病棟へと向かった。
全速力で廊下を走り、エレベーターに乗り込む。
……5階まで、遠すぎだろ。
早く、早く……。
焦る気持ちをなんとか抑えつつナースステーションに向かうと、同時に理学療法士の野瀬がナースステーションに現れた。
なにか言いたそうにしていたが、それどころではない。
「葵は?」
「今、酸素量増やしてます。でも、もう脈が……」
「すぐに家族に連絡」
「ドクターコールの前に連絡しました」
「了解」と吐き捨てるように言ってから、急いで葵のいる病室へと向かった。
頼む……頼むから間に合ってくれ。
まだ意識があるうちに、もう1度言いたいんだ。
『愛してる』と。
それだけ、伝えさせてくれ……。
「葵!」
ノックもせずに病室へ入ると、担当の大貫が酸素を増量していたところだった。
酸素10ℓでも、Spo2――血液酸素濃度は80%を切っている。
通常の酸素濃度は90%以上だ。
「い……五十嵐先生っ……」
半泣き状態になりながら、大貫は俺の指示を待っている。
乱れた呼吸を整えてから。
俺は静かに首を横に振った……。