キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
「羽玖くんも、よく来てくれたね」
そう言いながら、嬉しそうに羽玖の頭を撫でるお義父さん。
「さぁ、中に入ってね」とお義母さんに促され、葵の写真が飾られている部屋に入った。
変わらない笑顔の、葵の姿。
生きていれば来月で31歳になる彼女だが、写真の中の葵の時間は25歳で止まってしまっているんだよな……。
葵が生きていれば、今頃どんな生活になっていただろうか。
子どもがいて、仕事が終って帰宅すれば、「お帰りなさい」と出迎えてくれているだろうか。
そんなことを考えながら、持参した物を紙袋から取り出して仏壇に供える。
その横には、森脇が巷で話題となっているクッキー缶を供えた。
「あら、それは……」
「はい。葵が気に入ってくれた紅茶です」
「匠真さん、いつもありがとうね。葵、きっと喜んでるわ」
俺が供えたのは『リ・メール』というお店の紅茶のセットだ。
葵が初めて俺のマンションへ訪れた日、葵に淹れた紅茶。
ホットミルクがなく、結婚式の引き出物として頂いた紅茶を出した。
葵の口に合ったようで、あの日「お店に行ってみる」と言っていたが、その後すぐに転移がわかり、結局行けていないと思う。
そう思い、森脇に頼んで購入してきてもらった物だ。
そう言いながら、嬉しそうに羽玖の頭を撫でるお義父さん。
「さぁ、中に入ってね」とお義母さんに促され、葵の写真が飾られている部屋に入った。
変わらない笑顔の、葵の姿。
生きていれば来月で31歳になる彼女だが、写真の中の葵の時間は25歳で止まってしまっているんだよな……。
葵が生きていれば、今頃どんな生活になっていただろうか。
子どもがいて、仕事が終って帰宅すれば、「お帰りなさい」と出迎えてくれているだろうか。
そんなことを考えながら、持参した物を紙袋から取り出して仏壇に供える。
その横には、森脇が巷で話題となっているクッキー缶を供えた。
「あら、それは……」
「はい。葵が気に入ってくれた紅茶です」
「匠真さん、いつもありがとうね。葵、きっと喜んでるわ」
俺が供えたのは『リ・メール』というお店の紅茶のセットだ。
葵が初めて俺のマンションへ訪れた日、葵に淹れた紅茶。
ホットミルクがなく、結婚式の引き出物として頂いた紅茶を出した。
葵の口に合ったようで、あの日「お店に行ってみる」と言っていたが、その後すぐに転移がわかり、結局行けていないと思う。
そう思い、森脇に頼んで購入してきてもらった物だ。