キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
住宅街を抜けると景色が一変し、飲食店やショップが並ぶ繫華街へとやって来た。

羽玖がいるときは、だいたいファミレスに寄るパターンだ。


「羽玖、いつものファミレスか?」

「うん!! オムライス食べる!」

「……先生いつもすみません」

「あぁ、大丈夫だ。羽玖も、嫌がらず俺たちに付き合ってくれているからな」


羽玖はいつも、葵の家に行ってなにをしているのかを聞いてこない。
森脇が上手に理由を説明しているのかもしれないが、いつも嫌がることなくついてきてくれる。

5歳児にとって仏壇の前で手を合わせる時間など退屈だろうに。

わがままを言わない羽玖にご褒美の意味合いも込めて、食事をご馳走しているのだ。


「さて、着いたぞ」


車をパーキングに駐車させると、羽玖はうきうきした様子で車から降りた。

店内に入り空いている席へと案内されると、羽玖はさっそくタッチパネルを操作している。
タッチパネルを操作して食事を注文することも、もう手慣れたものだ。

羽玖のオムライスに続いて森脇は和風きのこのパスタセット、俺はとんかつ定食を注文。

しばらくすると羽玖が注文したオムライスが運ばれてきて、「いただきます!!」と両手を合わせて食事を始めた。
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