キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
よほどお腹が空いていたのか、オムライスを次々口へと運んでいく羽玖。

美味しそうに食べる羽玖を見ていると、俺と森脇が注文した食事も運ばれてきた。


「美味しそう。いただきます」


丁寧に両手を合わせて、森脇も食事を始める。
俺も続いて、揚げたてのとんかつを口に入れた。

それを見ていた羽玖が、「せんせいのそれ、1つほしい!」と指を差す。


「あぁ、とんかつか?」

「うん。たべてみたい」

「いいぞ。ひと切れ分けてやる」


とんかつをひと切れお皿に分けると、羽玖は大喜び。

あっという間にとんかつも完食し、続いてデザートも追加注文していた。
5歳児とはいえ、よく食べる。


「いつもごめんなさい」

「これくらい気にするな。葵もきっと、怒りはしない」


心がきれいな葵のことだ。
もし今ここに葵がいても、きっと怒らない。

「羽玖くんのためだもの」と言って、笑顔で許してくれるはずだ。

あぁ……葵に会いたい。
もう1度だけでいいから、葵のことを抱きしめたい。

そんな想いが、ふつふつと湧いて出てくる。


「……そいえば先生。矢田ちゃんからの手紙、読みました?」


ふと思い出したように、森脇が俺に問いかけてきた。

手紙、か。
森脇も、葵からの手紙を受け取った人の1人だ。
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