キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
5年間もの間、ずっとこの引き出しに眠っていた1通の手紙。
震える手で封筒の中から便箋を取り出し、ゆっくりと開いた。

丁寧な字が、1枚の便箋にびっしりと並んでいる。



【匠真へ】

匠真がこれを読んでいるということは、私はもうここにはいないかな。

匠真と出会って、付き合って。
幸せなことがたくさんありました。

ずっと夢だった結婚式を挙げること。
叶えてくれて、本当にありがとう。

どれだけ「ありがとう」と伝えても、足りないくらい感謝しています。

この先、匠真には違う人を見つけて、次の幸せを見つけて欲しい。

でも、本当はね。
私がずっと、匠真の奥さんでいたい。

匠真がほかの女性に触れたりするのは、なんだか嫌だな。

こんなこと言ったら、匠真を困らせるよね。
でも、これが私の最後の願いなんだ。

次に会うときは、健康な身体で匠真に会いたい。
生まれ変わっても、匠真に会いたい。

それまでちゃんと生きていて。
私の分まで、ちゃんと生きていて欲しい。

ずっとずっと、大好きな人。

匠真に出会えて、幸せでした。


20××年11月2×日 五十嵐 葵




「葵っ……」


手紙を読み終えた俺の頬には、涙が伝っていた。
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