キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
仕事から帰宅した父も驚いた表情をしていておもしろかったけど、それは内緒で。
「葵、洗面所まだ空かない?」
「もうすぐ終わるから待って」
リビングから飛んできた母の声。
仕上げのマスカラを塗ろうとしたけれど、まだ短くて上手く塗れずに諦めた。
でも、まつ毛も髪もなくたって、メイクはとびっきり可愛くしたいもん。
デート……ではなくなってしまったけれど、こんな私でも〝普通の女性〟として見て欲しいから。
「ごめん。終わったよ」
「あら葵、メイクしたの?」
「うん。久しぶりに人に会うから」
入院中はメイクもしてなくてどスッピンだったけれど、今日は特別。
例え病気でも、可愛く見せることは自由だからね。
「お母さんもメイク済ませてしまおうかしらね……」
私と入れ替わりで、洗面所へと向かった母。
母は長年専業主婦だけれど、家にいるからと言ってメイクや服装には手を抜かない。
父に「いつまでも綺麗な妻だ」と言われたのがキッカケらしいけれど、ちゃんとしていてすごいと思う。
そんなことを考えつつホットミルクが入ったマグカップを手にしようとしたとき、近くに置いてあったスマホが震えた。
画面には、1通のメッセージ。
相手はもちろん、五十嵐先生だ。
『おはよう。もうすぐ着くんだけど、大丈夫?』
「葵、洗面所まだ空かない?」
「もうすぐ終わるから待って」
リビングから飛んできた母の声。
仕上げのマスカラを塗ろうとしたけれど、まだ短くて上手く塗れずに諦めた。
でも、まつ毛も髪もなくたって、メイクはとびっきり可愛くしたいもん。
デート……ではなくなってしまったけれど、こんな私でも〝普通の女性〟として見て欲しいから。
「ごめん。終わったよ」
「あら葵、メイクしたの?」
「うん。久しぶりに人に会うから」
入院中はメイクもしてなくてどスッピンだったけれど、今日は特別。
例え病気でも、可愛く見せることは自由だからね。
「お母さんもメイク済ませてしまおうかしらね……」
私と入れ替わりで、洗面所へと向かった母。
母は長年専業主婦だけれど、家にいるからと言ってメイクや服装には手を抜かない。
父に「いつまでも綺麗な妻だ」と言われたのがキッカケらしいけれど、ちゃんとしていてすごいと思う。
そんなことを考えつつホットミルクが入ったマグカップを手にしようとしたとき、近くに置いてあったスマホが震えた。
画面には、1通のメッセージ。
相手はもちろん、五十嵐先生だ。
『おはよう。もうすぐ着くんだけど、大丈夫?』