キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
入院中に受けた、告白の返事。
今日までずっと、保留にしてきた。そして、とても悩んだ。
もし私に命の期限があるならば、五十嵐先生に迷惑がかかってしまうだけだ。
それでも、私は後悔のない人生を送りたい。
この先長く生きることができたとしても、これで最後の恋にしたいからーー。
「葵、体調はいいのか?」
「えっ、はい。今日は、大丈夫みたいです」
「そう? さっきから黙ったままだし」
「それは……」
とっても緊張しているからです。なんて、言えない。
どうしようかと悩んでいると、ドアをノックする音が聞こえた。
母が、紅茶と焼き菓子を持ってきたようだ。
「葵、入るわよ?」
「うん、大丈夫」
母は静かにドアを開けて中に入ると、あたたかい紅茶と焼き菓子をテーブルに置いてくれた。
昨日は、わざわざこの焼き菓子を買いに行っていたのか。
「すみません。気を遣わせてしまって……」
「いいえ! 大丈夫ですよ。こちらこそ、葵のこと……よろしくお願いしますね」
そう言った母は軽く会釈をして、用事が済むとすぐに部屋を出て行った。
再び訪れる沈黙の間。
なんとかして気持ちを伝えなければと思っていると、先に口を開いたのは五十嵐先生だった。
「部屋の中なのに、ニット帽脱がないのか?」
「え、だって……」
今日までずっと、保留にしてきた。そして、とても悩んだ。
もし私に命の期限があるならば、五十嵐先生に迷惑がかかってしまうだけだ。
それでも、私は後悔のない人生を送りたい。
この先長く生きることができたとしても、これで最後の恋にしたいからーー。
「葵、体調はいいのか?」
「えっ、はい。今日は、大丈夫みたいです」
「そう? さっきから黙ったままだし」
「それは……」
とっても緊張しているからです。なんて、言えない。
どうしようかと悩んでいると、ドアをノックする音が聞こえた。
母が、紅茶と焼き菓子を持ってきたようだ。
「葵、入るわよ?」
「うん、大丈夫」
母は静かにドアを開けて中に入ると、あたたかい紅茶と焼き菓子をテーブルに置いてくれた。
昨日は、わざわざこの焼き菓子を買いに行っていたのか。
「すみません。気を遣わせてしまって……」
「いいえ! 大丈夫ですよ。こちらこそ、葵のこと……よろしくお願いしますね」
そう言った母は軽く会釈をして、用事が済むとすぐに部屋を出て行った。
再び訪れる沈黙の間。
なんとかして気持ちを伝えなければと思っていると、先に口を開いたのは五十嵐先生だった。
「部屋の中なのに、ニット帽脱がないのか?」
「え、だって……」