キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
でも、私のために仕事を疎かにすることだけはして欲しくない。
だって、患者さんの命を預かっているんだから。
手を抜いて、取り返しのつかないことになるのは、嫌だ。
そんなことを考えながら化学療法室へと戻ると、石橋さんが使用したベッドを整えている最中だった。
「すみません。なにも言わずに出て行ってしまって」
「いいよ! 電話?」
「はい……ちょっとこの後、約束があって」
「ははーん。さては……彼氏だな?」
ドキッとして、スマホを手から落としてしまいそうになった。
五十嵐先生のことを改めて〝彼氏〟だなんて言われると、ちょっと照れくさい。
……もしかして私、顔に出てた?
確かにいつもより浮かれてはいるけれど。
平常心を装って、戻って来たはずなのにな。
「こんな私を想ってくれる、大切な彼なんです」
「そっかぁ。いい男なんだね」
「………」
なんか気まずい。
五十嵐先生のことは、石橋さんだって知っている。
私にとって彼は〝いい彼氏〟だけど。
周りは……彼のことをどう思っているかは謎に包まれている。
「機会があったら紹介してよ、彼氏」
「えっ、あぁ……。まぁ、そのうちに」
『紹介するもなにも、ご存じです』とは言えずに、慌てて荷物を手にする。
「じゃあ。失礼します」と逃げるように言ってから、職員通用口へと向かった。
だって、患者さんの命を預かっているんだから。
手を抜いて、取り返しのつかないことになるのは、嫌だ。
そんなことを考えながら化学療法室へと戻ると、石橋さんが使用したベッドを整えている最中だった。
「すみません。なにも言わずに出て行ってしまって」
「いいよ! 電話?」
「はい……ちょっとこの後、約束があって」
「ははーん。さては……彼氏だな?」
ドキッとして、スマホを手から落としてしまいそうになった。
五十嵐先生のことを改めて〝彼氏〟だなんて言われると、ちょっと照れくさい。
……もしかして私、顔に出てた?
確かにいつもより浮かれてはいるけれど。
平常心を装って、戻って来たはずなのにな。
「こんな私を想ってくれる、大切な彼なんです」
「そっかぁ。いい男なんだね」
「………」
なんか気まずい。
五十嵐先生のことは、石橋さんだって知っている。
私にとって彼は〝いい彼氏〟だけど。
周りは……彼のことをどう思っているかは謎に包まれている。
「機会があったら紹介してよ、彼氏」
「えっ、あぁ……。まぁ、そのうちに」
『紹介するもなにも、ご存じです』とは言えずに、慌てて荷物を手にする。
「じゃあ。失礼します」と逃げるように言ってから、職員通用口へと向かった。