キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
メニュー表を開くと数多くのうどんメニューから定食まで、様々な種類の食事が写真と共に載せられていた。


「これ、迷いますね」

「あぁ。全部美味しそうだしな。葵、決まった?」

「うーん。私、この牛煮込みうどんのお味噌汁セットにしてみます」

「いいねぇ。じゃあ俺は、アジフライ定食で」


それぞれのメニューが決定し店員さんを呼ぶと、注文するメニューを伝えた。

それにしても、五十嵐先生がアジフライを食べるなんて、ちょっと意外かも。
ガッツリ肉とか食べてそうなイメージ。

歓迎会のときも、ひたすら焼き鳥を食べていたし。


「そういえば、もうすぐだよな。お姉さんの結婚式」

「あ、はい。来週末です」


食事が運ばれてくるまでの間、五十嵐先生が口にしたのは姉の結婚式の話題。

母は「半年くらい先」と言っていたが、意外にもトントン拍子に準備が進んだのだ。

本来なら約半年から1年かけて行う結婚式の準備。
でも、私の身体のことを考えて6月下旬に決まったらしい。

半年や1年後……私の身体がどうなっているかがわからないから。
「私の体調が安定しているうちに、済ませてしまう」って。

そんなの、例え車椅子移動になったとしても絶対行くのに。

こんなときにまで私のことを気遣うなんて、本当どこまでも優しい姉だ。
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