キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
そう言って、お箸で器用にアジフライを切り分けている彼。
でも、なにかを思い出したかのようにその手を止めた。
「まだ、脂っこい物は無理か?」
「はい……ごめんなさい」
「謝ることはない。体調優先だろ?」
切り分けたアジフライをそのまま口に運んだ五十嵐先生は、美味しそうにアジフライを咀嚼している。
別に食べても問題はないと思う。
でも、今は控えているだけ。
好きな人の厚意も素直に受け取れないことは、こんなにももどかしいんだ。
「葵? 体調悪いのか?」
「えっ、違います。大丈夫。ただ……」
「ただ?」
「好きな人の厚意を受け取ることもできないのって、辛いなぁ……って」
自分の気持ちを素直に伝えると、五十嵐先生は「なんだ、そんなことか」と言って再びアジフライに手を伸ばす。
そんなこと?
彼にとっては、それで済まされることなの?
せっかくの想いを相手が素直に受け取ってくれないって、辛くないのかな?
「葵、気にしなくていい。ゆっくり、葵のペースでいいんだ」
ーーその言葉が、今の私にとってどれだけ嬉しかったか。
少しでも早く、いつもの生活に戻りたくて。
少しでも、周りから普通のカップルに見られたくて。
焦っていたかもしれない。
私は、私のペースでよかったんだ。
でも、なにかを思い出したかのようにその手を止めた。
「まだ、脂っこい物は無理か?」
「はい……ごめんなさい」
「謝ることはない。体調優先だろ?」
切り分けたアジフライをそのまま口に運んだ五十嵐先生は、美味しそうにアジフライを咀嚼している。
別に食べても問題はないと思う。
でも、今は控えているだけ。
好きな人の厚意も素直に受け取れないことは、こんなにももどかしいんだ。
「葵? 体調悪いのか?」
「えっ、違います。大丈夫。ただ……」
「ただ?」
「好きな人の厚意を受け取ることもできないのって、辛いなぁ……って」
自分の気持ちを素直に伝えると、五十嵐先生は「なんだ、そんなことか」と言って再びアジフライに手を伸ばす。
そんなこと?
彼にとっては、それで済まされることなの?
せっかくの想いを相手が素直に受け取ってくれないって、辛くないのかな?
「葵、気にしなくていい。ゆっくり、葵のペースでいいんだ」
ーーその言葉が、今の私にとってどれだけ嬉しかったか。
少しでも早く、いつもの生活に戻りたくて。
少しでも、周りから普通のカップルに見られたくて。
焦っていたかもしれない。
私は、私のペースでよかったんだ。