キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
そして、姉との様々な思い出が蘇ってくる。

姉とはたくさん喧嘩もしたけれど、基本的に仲良しだった。
小学生の時に上級生にいじめられたときも、全力で守ってくれたっけ。

私が病気とわかってからも、わざわざ休暇を取って帰って来てくれたり。

なんだかんだ、姉が大好きなんだーー。


「お姉ちゃん。私、お姉ちゃんの妹でよかったよ」

「葵……もう! 式の前に泣かさないで」


じわりと目に涙を浮かべた姉を、ぎゅっと抱きしめた。


「大好きだよ、お姉ちゃん」


その想いは、きっとこれからも同じ。

姓が変わったとしても、なかなか実家に帰ってこれなくなったとしても。
ずっとずっと、変わらない想い。


「私もだよ、葵。だから……ずっと生きていてね」


姉の言葉に、胸がいっぱいになった。
あたたかくて、とても優しい気持ちが身体全体を流れていく。

私、頑張るよ。
だから、離れていても応援していてね。

そう、姉の背中にそっと呟いた。


それからしばらくして、父と匠真と合流するとチャペルへと足を運んだ。

向かって右側に新婦の親族や友人。その反対側、向かって左側には、新郎の親族や友人が参列している。

チャペルに到着すると、父と母は姉と共にチャペルへと繋がる扉の裏でスタンバイ。
私と匠真は、参列席の最前列に腰かけた。
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