キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
不思議に思いながらもフラワーシャワーを散らし、姉に手を振る。
職場仲間や同級生にも弾けるような笑顔で手を振りながら歩く姉は、本当に幸せそう。

ローズアーチの下に新郎新婦が揃うと、いよいよブーケトスの時間だ。


「みなさん、今日は本当にありがとうございます」


新郎がそう言うと、姉も一緒に頭を下げる。

そして新郎の謝辞に続いて、姉が話し始めた。


「今から、ブーケトスをしたいと思います。でも、この場を借りてみなさまに知っていただきたいことがあります」


この会場にいるみんなが、姉の方を見つめている。

なんだろう?
もしかして、妊娠してますとかだったらどうしよう。

もしそうだったら……嬉しすぎる。

淡い期待を抱きながら、姉の次の言葉を待った。


「……実は、私の妹は、病気と闘っています」


姉の発言に、会場がざわつき始めた。

それもそうだろう。
まさか、姉が私のことを話すなんて。

それに……私が1番知られたくない病気のこと。

すぐ横にいる匠真も、さすがにこれには驚きを隠せない様子だ。


「……妹は…葵は、私の大切な妹です。この先も、ずっとずっと生きていて欲しい。大切な人と、二人三脚で。だから、このブーケは妹に渡したいと思います」


声を震わせながらそう言った姉は、ゆっくりと私の方へと近付いてくる。
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