キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
やっぱり、姉の優しさには敵わない。


これから先、辛いことなんてたくさんあるに決まってる。

でも、絶対に乗り越えて見せるから。
受け取ったローズブーケに、そう誓ったーー。


* * *

「身体、大丈夫か?」

「はい。今日はすてきな1日でした」


帰りの車の中で、体調を心配してくれている匠真。

結婚式のあとは披露宴が行われ、美味しい和食フルコースもご馳走になった。

和食とはいえ結構なボリュームだったため、少しお残しさせてもらったけれど。
それでも、久しぶりにいい1日を過ごせた気がする。


「いいよな。結婚式」

「結婚式って、周りのみんなも幸せな気持になれるんですね」


私の手元では、姉からもらったローズブーケが優しい香りを放っている。

その香りに釣られたからなのか……「いつかは結婚式したいな」と、呟いてしまった。
ハッとして、匠真の顔を見てみたけれど、聞こえていなかったよう。


「しような。俺たちも」

「えっ?」

「結婚式、しような。俺たちの……夢だ」


私の方を見るわけでもなく、真っ直ぐ前を見たままそう言った匠真。


今、『俺たちの』って……。

その言葉に、鼻の奥がツンと痛くなった。


だって、こんなのまるで……プロポーズみたいじゃない。
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