キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

君のすきなところーside匠真ー

俺は本当、バカなことをしてしまった。
葵のことが可愛くて、衝動的にマンションに誘ってしまうなんて。

でも、帰したくなかった。

葵のお姉さんの結婚式に参列させてもらって、一緒にいれるっていいことだな。なんて、柄にもなく思ってしまった。


身体が弱っている今の葵に、キス以上のことはしたくない。

きっちりキスまでで終わらせられるか、自分で自分が心配になってくる。


「……お邪魔します」


明かに緊張している葵は、恐る恐る俺のマンションに足を踏み入れた。

玄関で、結婚式で履いていた草履をきれいに揃えている彼女。
慣れない履物で、今日1日辛かったに違いない。


「疲れただろ? 適当に座ってて」

「はい……ありがとうございます」


頂いた引き出物や今日の荷物を別室へと追いやって、キッチンに立つ。

少しだけネクタイを緩めて葵のことを見てみると、まだ緊張がほぐれていない様子だった。

あぁ……多分あれだよな。
きっとキス以上のことをされると思ってるよな。

まぁ、この状況でそう思ってしまうのも無理はない。

でも、身体が弱っている葵のことを無理矢理襲うのは趣味じゃない。
ただ、それで俺がどこまで理性を保てるかが問題だ。


「葵、なにか飲むか?」

「あ、あの……あたたかい、ミルクがあれば……」
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