先輩からの挑戦状〜暗号ヲ解読セヨ!〜
それは、突然言われた。
「天宮くん、卒業式が終わったらここに来て」
三階の突き当たりにある文芸部の部室にて、書きかけの小説を執筆していた二年生の天宮月斗(あまみやつきと)に、三年生で部長を務めていた桜木紫乃(さくらぎしの)がそう言い、一枚の紙を渡してきたのだ。
「えっ、卒業式ってまだ先じゃないですか。何で今、こんな紙を?卒業式前日に渡した方がいいんじゃないですか?」
密かに想いを寄せている紫乃に紙を渡され、内心胸を高鳴らせながらも月斗はそう言ってしまう。月斗たちが通うカトレア学園高等部の卒業式が行われるのは、三月一日。今日はまだ一月九日で、卒業式の話をするにはまだ早い気がする。
「だって卒業式の前日に渡したら、解くのに必要な時間が少ないじゃない」
紫乃はいたずらっ子のように微笑む。月斗は「解く?」と呟きながら紙を広げた。そこに書かれていたのは、彼が予想していた「××に来てほしい」という言葉では全くなかった。
90.4336
8.484444
ー7.4784
「これは……」
書かれた数字に月斗は頭を抱えたくなってしまう。数学が苦手で大嫌いな月斗にとって、数字が意味もなく並んでいるこの紙を見ることすら苦痛だ。そんな彼の様子を見ながら、紫乃は微笑む。
「天宮くん、卒業式が終わったらここに来て」
三階の突き当たりにある文芸部の部室にて、書きかけの小説を執筆していた二年生の天宮月斗(あまみやつきと)に、三年生で部長を務めていた桜木紫乃(さくらぎしの)がそう言い、一枚の紙を渡してきたのだ。
「えっ、卒業式ってまだ先じゃないですか。何で今、こんな紙を?卒業式前日に渡した方がいいんじゃないですか?」
密かに想いを寄せている紫乃に紙を渡され、内心胸を高鳴らせながらも月斗はそう言ってしまう。月斗たちが通うカトレア学園高等部の卒業式が行われるのは、三月一日。今日はまだ一月九日で、卒業式の話をするにはまだ早い気がする。
「だって卒業式の前日に渡したら、解くのに必要な時間が少ないじゃない」
紫乃はいたずらっ子のように微笑む。月斗は「解く?」と呟きながら紙を広げた。そこに書かれていたのは、彼が予想していた「××に来てほしい」という言葉では全くなかった。
90.4336
8.484444
ー7.4784
「これは……」
書かれた数字に月斗は頭を抱えたくなってしまう。数学が苦手で大嫌いな月斗にとって、数字が意味もなく並んでいるこの紙を見ることすら苦痛だ。そんな彼の様子を見ながら、紫乃は微笑む。
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