先輩からの挑戦状〜暗号ヲ解読セヨ!〜
「あら、君、あの時の!」
月斗が部室に入ると、すぐに紫乃は気が付いてくれた。たった数分しか関わったことがなかったというのに、紫乃が覚えていてくれたことが、月斗はとても嬉しく満面の笑みを浮かべた。
「ねえ、天宮くんはどんなジャンルの本をよく読むの?執筆はしたことある?」
そう紫乃に訊かれた時、月斗は嘘は言えず、紫乃に一目惚れしたことは伏せて、読書などはほとんどしないことを正直に告白する。
「でも、高校生になったんだし、色んな本を読んでみたいと思って……」
最後にそう言うと、紫乃は「これなんか面白かったわよ」とオススメの本をたくさん教えてくれた。そして、紫乃が薦めてくれた本はどれも面白く、読書をほとんどしたことがない月斗を、あっという間に文学の世界へ突き落としたのだ。
文芸部での主な活動は、好きな時に部屋に置かれたパソコンなどで自分のオリジナルの小説を執筆することである。そして、三ヶ月に一度、部員同士でオススメの本の魅力を紹介するビブリオバトルを行い、文化祭で短編や俳句などをまとめた部誌を作成したりする。
このカトレア学園高等部では、不定期で部長が小説のテーマを決め、部員がそのテーマに沿って短編を書き、部員同士で小説のレビューをする「短編コンテスト」があることが、月斗の救いになっていた。読むのは好きになったものの、何を書けばいいかわからないからである。
月斗が部室に入ると、すぐに紫乃は気が付いてくれた。たった数分しか関わったことがなかったというのに、紫乃が覚えていてくれたことが、月斗はとても嬉しく満面の笑みを浮かべた。
「ねえ、天宮くんはどんなジャンルの本をよく読むの?執筆はしたことある?」
そう紫乃に訊かれた時、月斗は嘘は言えず、紫乃に一目惚れしたことは伏せて、読書などはほとんどしないことを正直に告白する。
「でも、高校生になったんだし、色んな本を読んでみたいと思って……」
最後にそう言うと、紫乃は「これなんか面白かったわよ」とオススメの本をたくさん教えてくれた。そして、紫乃が薦めてくれた本はどれも面白く、読書をほとんどしたことがない月斗を、あっという間に文学の世界へ突き落としたのだ。
文芸部での主な活動は、好きな時に部屋に置かれたパソコンなどで自分のオリジナルの小説を執筆することである。そして、三ヶ月に一度、部員同士でオススメの本の魅力を紹介するビブリオバトルを行い、文化祭で短編や俳句などをまとめた部誌を作成したりする。
このカトレア学園高等部では、不定期で部長が小説のテーマを決め、部員がそのテーマに沿って短編を書き、部員同士で小説のレビューをする「短編コンテスト」があることが、月斗の救いになっていた。読むのは好きになったものの、何を書けばいいかわからないからである。