愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
毎日そんなやり取りが続いて、温かく優しい時間が俺たちを包み込んでくれる。
こうやって一日一日と過ごしていくうちに、まるで世界がふたりだけの美しい箱庭のように思えてくる。
この慈しむような穏やかな感情が愛なのだろうか。
この時間が永遠に続けばいいと、彼女を手放したくないと思ってしまう。
だが、彼女が泣きながら俺の帰りを待っていた日を思い出すたびに、見誤ってはならないと自戒する。
俺では彼女を幸せにできない。相応しい男がいるはずだ。
そんな存在が見つかるまで、決して理性を崩してはならない。
少しずつ、妹だった真誉が女性に見えてくる。これ以上、見ない振りはできそうにない。
女性として好意を抱いてしまうのは、時間の問題かもしれない。
結果、俺は宙ぶらりんなまま、真誉を跳ねのけることも、受け入れることもできずにいる。