愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
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彼女を迎えにいき、手を繋いで帰宅した。時刻はもう十一時を過ぎている。
「明日は休みか?」
強引にラブホテルに連れ込まれそうになった恐怖がまだ抜けていないのだろう。
引きずった表情で、ゆっくりとこちらに向かって微笑む。
「店は定休日だけど、在庫の確認とか打ち合わせとかいろいろあって、昼前には出るつもり」
「そうか。じゃあ、早めに休むといい」
「うん。そうする」
彼女は自室に向かう。階段に足をかけたところで振り向き、「北斗さん」と控えめに声をかけてきた。
「迎えに来てくれて、ありがとう。本当に嬉しかった」
今にも泣きそうな、儚げな笑みを浮かべる。
「ああ」
傷ついているのは、あの質の悪い男のせいではなく、俺のせいかもしれない。
彼女を見送ったあと、居間に向かい仏壇に手を合わせる。
「悪い、遊真。どうしたらいいのか、わからなくなった」
ふうっと線香が漂ってきて、遊真に叱られている気がした。
あいつなら、まどろっこしいことは考えるなと言うだろう。妹だけでなく、俺の幸せも願ってくれるに違いない。だが――。
「本当にそれが正しいのか、わからないんだ」
助けを求めるように吐露し、情けなく背中を丸めた。
彼女を迎えにいき、手を繋いで帰宅した。時刻はもう十一時を過ぎている。
「明日は休みか?」
強引にラブホテルに連れ込まれそうになった恐怖がまだ抜けていないのだろう。
引きずった表情で、ゆっくりとこちらに向かって微笑む。
「店は定休日だけど、在庫の確認とか打ち合わせとかいろいろあって、昼前には出るつもり」
「そうか。じゃあ、早めに休むといい」
「うん。そうする」
彼女は自室に向かう。階段に足をかけたところで振り向き、「北斗さん」と控えめに声をかけてきた。
「迎えに来てくれて、ありがとう。本当に嬉しかった」
今にも泣きそうな、儚げな笑みを浮かべる。
「ああ」
傷ついているのは、あの質の悪い男のせいではなく、俺のせいかもしれない。
彼女を見送ったあと、居間に向かい仏壇に手を合わせる。
「悪い、遊真。どうしたらいいのか、わからなくなった」
ふうっと線香が漂ってきて、遊真に叱られている気がした。
あいつなら、まどろっこしいことは考えるなと言うだろう。妹だけでなく、俺の幸せも願ってくれるに違いない。だが――。
「本当にそれが正しいのか、わからないんだ」
助けを求めるように吐露し、情けなく背中を丸めた。