愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
第六章 私を救ってくれる情熱のオレンジ
「ごめん! 本当にごめん」
翌日。優多さんが手を合わせて深々と頭を下げてきた。
「三津屋がすごいゲスなことしたんだって? 変な男紹介して、本っ当にごめん!」
「だ、大丈夫だから! 頭を上げて?」
今日は定休日。店のど真ん中で平謝りする彼女の顔をなんとか上げさせる。
「アイツ、たしかに酔うと調子よくなっちゃうところがあるんだけど、でもまさかそんな酷いことするヤツだとは思わなかった。大学の頃は、もうちょっとまともだったと思ったのに」
「ちなみに、誰からその話を聞いたの?」
「美波が陰から見てたらしいんだ。三津屋の態度が怖くて、助けに入れなかったんだって」
ああ、と私は昨夜の出来事を思い出す。そういえば三津屋さんは、美波と飲みに行ったって言ってたっけ。
彼女も三津屋さんが悪酔いしていると気づき、逃げ出したクチなのかもしれない。