愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
自らを叱咤し、隊員たちを率いて非常階段を駆け上がる。
「三階、非常階段側入口より進入!」
倉庫のドアを開けた瞬間、真っ黒な煙が噴き出してきた。
視界が十センチと確保できないほど有毒な黒煙が滞留している。
「ひどい煙だ……!」
五十嵐がたまらず声をあげた。
すぐ隣の部屋では火の手が上がっている。防火服越しにひどい熱気が伝わってくる。
嫌な予感を覚え、背中に冷たい汗が伝った。
経験上、わかりたくなくてもわかってしまう。
もし彼女がこの倉庫内で気を失っているとしたら、無事では済まない……。
「誰かいますかー!? 救助隊です! 誰か!」
五十嵐と隊員一名が床に這いつくばって、倉庫内に倒れている人間がいないかくまなく検索する。
しかし誰も見つからず、さらに奥の部屋へと進入を開始しようとした、そのとき。
ガシャン、ガシャン!と金属のぶつかり合うような甲高い音が外から響いてきた。
「上……?」
俺は非常階段を仰ぎ見る。
煙が立ち昇る先で、彼女が助けを呼んでいるような気がした。
「三階、非常階段側入口より進入!」
倉庫のドアを開けた瞬間、真っ黒な煙が噴き出してきた。
視界が十センチと確保できないほど有毒な黒煙が滞留している。
「ひどい煙だ……!」
五十嵐がたまらず声をあげた。
すぐ隣の部屋では火の手が上がっている。防火服越しにひどい熱気が伝わってくる。
嫌な予感を覚え、背中に冷たい汗が伝った。
経験上、わかりたくなくてもわかってしまう。
もし彼女がこの倉庫内で気を失っているとしたら、無事では済まない……。
「誰かいますかー!? 救助隊です! 誰か!」
五十嵐と隊員一名が床に這いつくばって、倉庫内に倒れている人間がいないかくまなく検索する。
しかし誰も見つからず、さらに奥の部屋へと進入を開始しようとした、そのとき。
ガシャン、ガシャン!と金属のぶつかり合うような甲高い音が外から響いてきた。
「上……?」
俺は非常階段を仰ぎ見る。
煙が立ち昇る先で、彼女が助けを呼んでいるような気がした。