愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
「本当に、誇らしい……」
なのに複雑な気持ちになってしまうのはなぜか。この感情は兄が亡くなって四年近く経つ今も拭えない。
「と、いけない。出かける準備をしなくちゃ」
ネガティブな感情を振り払い、私は立ち上がった。
消防官という仕事は、兄にとっても北斗さんにとっても、命をかける価値のある仕事。
だから私もできる限り力になりたい。
学生時代、四年制の栄養専門学校で管理栄養士の資格を取ったのは、消防官になった兄を健康面で支えたいと思ったからだ。
兄がいなくなってしまった今、ささやかながら北斗さんを支えたい。
二度とあんな悲しい思いをしなくてすみますようにと祈りを込めた。
ひと通り家事を済ませたあと、軽くメイクをして、白いブラウスとブラックデニムに着替えた。
仕事中はこの格好と決めている。動きやすさときちんと感重視だ。
胸まである髪をサイドで編み込みハーフアップにして、さらにうしろで束ね気合いを入れた。
肩掛けのトートバッグには、財布やポーチ、携帯端末のほかに、新作のレシピが書き込まれたノートが入っている。
なのに複雑な気持ちになってしまうのはなぜか。この感情は兄が亡くなって四年近く経つ今も拭えない。
「と、いけない。出かける準備をしなくちゃ」
ネガティブな感情を振り払い、私は立ち上がった。
消防官という仕事は、兄にとっても北斗さんにとっても、命をかける価値のある仕事。
だから私もできる限り力になりたい。
学生時代、四年制の栄養専門学校で管理栄養士の資格を取ったのは、消防官になった兄を健康面で支えたいと思ったからだ。
兄がいなくなってしまった今、ささやかながら北斗さんを支えたい。
二度とあんな悲しい思いをしなくてすみますようにと祈りを込めた。
ひと通り家事を済ませたあと、軽くメイクをして、白いブラウスとブラックデニムに着替えた。
仕事中はこの格好と決めている。動きやすさときちんと感重視だ。
胸まである髪をサイドで編み込みハーフアップにして、さらにうしろで束ね気合いを入れた。
肩掛けのトートバッグには、財布やポーチ、携帯端末のほかに、新作のレシピが書き込まれたノートが入っている。