愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
挑発するように言うから、思わず手をクロスさせて胸もとを隠した。

恥ずかしがる私を、彼は楽しそうに眺めている。

「それに、真誉の裸を見るのは初めてじゃないだろう?」

衝撃的なひと言に、私は「ええ!?」と目を丸くする。

「ほら。階段から落ちかけたときに」

お風呂上り、バスタオル一枚で階段から落ちかけて、抱き支えてもらったことを思い出す。

あのときバスタオルがはだけてしまい、彼の腕の中で私は完全に裸だったんだ。

私を支える腕からは、素肌の感触が伝わっていただろう。

「あ、あれはっ……! でも、北斗さん、全然気にしてないような顔してたじゃない?」

「本当は少しだけ、ドキドキしてたぞ?」

「そうだったの!?」

とんでもないポーカーフェイスだ。

でも彼の、そういうちょっと読めないところも好きだから救いようがない。

寝間着の下、ちらりと覗いたお腹に彼が指先を滑らせる。

「真誉の腰、細いよな」

「あのときのことを思い出して言わないで。いろんな意味で恥ずかしい……」

「じゃあ、今見て言う」

彼は身を引き、お腹に顔を近づけると、唇で触れた。

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