愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
柔らかな舌と温かな指先がそこを撫でるように動き、たまらずぴくんと体が震える。

「綺麗な曲線だな。俺にはないものだから、余計にそう思うよ」

そう言って自身のボタンも外していく。あらわになった逞しい体を見て、思わず息を呑んだ。

「私には北斗さんの方が綺麗に見えているよ。どうしてそんなに大きくて、逞しいんだろうって」

胸もお腹もがっしりとしていて、まるで西洋の彫刻のように美的。

柔らかそうな部分が全然なくて、上質な鎧に覆われているかのよう。

「鍛えてるからな」

おそるおそる手を伸ばし、硬い筋肉に触れる。

ああ、すごく温かくて、滑らかで気持ちがいい。私の肌とは、全然違う。

彫刻のように無機質な芸術作品じゃなくて、彼の呼吸に合わせて筋肉が躍動している。

「……すごい」

思わず呟く私に、彼がふっと笑みをこぼす。

「こんな体でよければ、好きに触れていいよ」

そう言って、脇腹に触れる私の手を押しつけるように握る。

彼の放つ熱にあてられて、溶けてしまいそうだ。私まで体温が上昇していくのを感じる。

「……なら、私のも。よければ……どうぞ」

音にして初めて、なんて恥ずかしいことを言ってしまったのだろうと後悔した。

< 140 / 155 >

この作品をシェア

pagetop