愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
「これ以上は待てない」

胸を隠していたレースをするりと外し、すべてをあらわにする。

緊張からぎゅっと目を瞑ると、ちゅっと水音が鳴って、甘い痺れが上半身を駆け抜けた。

「っあん……!」

「もっと聞きたい」

「っ、あ、あぁ……やん……」

腕を押さえつけながら、わざと啼かせるように胸もとをかわいがる。

意地悪で卑猥なのに、すごく優しい触れ方。心地よさを感じるほどに、じわじわと羞恥心が薄れていく。

女になりきれない頑なな私を導くかのように、感じ方を教えてくれる。

無理やりだけど、救われる。その甘い痺れの先になにがあるのかを知りたくなる。

「北斗さん、それ……もっと……」

気づけば淫らな言葉を口走っていた。腕の拘束が外れても、抵抗する気力が起きない。

「やっと素直になった」

蕩けて緩んでいく私を見つめ、彼がうっとりと舌なめずりをする。

その表情は獰猛だ。早く食べさせろ、そんな強欲な圧さえ感じる。

「いつものかわいい真誉じゃない。すごく……綺麗だ」

そう囁いて強く抱きしめ、触れ合いながら肌を隠す薄布を剥がしていく。

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