愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
「それは間違いない。でも言っておくけど、私、彼氏募集中だから」
「はあ? なんで?」
「言ったでしょ? 北斗さんとお付き合いする気はないの。だから北斗さんや天国のお兄ちゃんを安心させるためにも、素敵な彼氏を作らないと」
まあ、今のところまったくアテはないのだけれど。
生まれてこの方、恋人がいた試しがない。
高校は女子高だったし、栄養専門学校も大半が女生徒だった。カフェスタッフもみんな女性。そもそも出会いがないのだ。
「オーケー。真誉と気が合いそうな男性がいたら紹介する」
「優しくて誠実な人がいいな。北斗さんくらい」
「それは無理かも。どんな男性も北斗さんと比較したらくすんで見えちゃうよ」
お互いくすくす笑い合う。
「まあ、そのうち巡り会えるんじゃないかな。素敵な男性に」
「相当な奇跡が起きないと無理ね」
「そんなこと言わないでよ」
おどけながら、私は作業台にまな板と包丁をセットする。
「よーし。まずはサラダ系からいこうかな」
頬をパンと叩き気分を入れ替える。
試作品作りは、カフェ業務の中で一番楽しい仕事だ。
どんなお料理を作ればお客様が注文してくれるだろう、おいしいと言ってくれるだろう、そんな考えを巡らせながら手を動かす。
「北斗さんもおいしいって言ってくれるといいな」
そんなことを素直に呟きながら、瑞々しい野菜を手に取った。
「はあ? なんで?」
「言ったでしょ? 北斗さんとお付き合いする気はないの。だから北斗さんや天国のお兄ちゃんを安心させるためにも、素敵な彼氏を作らないと」
まあ、今のところまったくアテはないのだけれど。
生まれてこの方、恋人がいた試しがない。
高校は女子高だったし、栄養専門学校も大半が女生徒だった。カフェスタッフもみんな女性。そもそも出会いがないのだ。
「オーケー。真誉と気が合いそうな男性がいたら紹介する」
「優しくて誠実な人がいいな。北斗さんくらい」
「それは無理かも。どんな男性も北斗さんと比較したらくすんで見えちゃうよ」
お互いくすくす笑い合う。
「まあ、そのうち巡り会えるんじゃないかな。素敵な男性に」
「相当な奇跡が起きないと無理ね」
「そんなこと言わないでよ」
おどけながら、私は作業台にまな板と包丁をセットする。
「よーし。まずはサラダ系からいこうかな」
頬をパンと叩き気分を入れ替える。
試作品作りは、カフェ業務の中で一番楽しい仕事だ。
どんなお料理を作ればお客様が注文してくれるだろう、おいしいと言ってくれるだろう、そんな考えを巡らせながら手を動かす。
「北斗さんもおいしいって言ってくれるといいな」
そんなことを素直に呟きながら、瑞々しい野菜を手に取った。