愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
「この前、本部に呼ばれてたでしょう? きっと上からお声がかかったんだろうって、みんな噂してましたよ。隊長、めっちゃ優秀だから」
「……署のみんなの噂好きには困るな」
やれやれといって腕を解く。否定しないところを見ると、きっと事実なのだろう。
「だからこそ俺は真誉とは付き合わないんだよ。信頼できる男を見つけて引き渡すまでが俺の役目だ」
そんなふうに考えていてくれたんだ……。
予想通りではあったけれど、彼の口から聞くとなんとなく寂しくて悲しい。
「なるほど、真誉さんの恋人に立候補するのは難しそうですね。バックに恐ろしいお父さんが控えてるので」
ちょっぴりしょんぼりした顔で五十嵐さんが言う。私は苦笑しながら賄いランチを口に運んだ。
北斗さんが優秀なのは兄からも聞いていたけれど、そんな先鋭部隊に選ばれるほどすごいなんて。
誇らしい反面、ぞわぞわと胸の奥に闇が広がる。きっと今以上に危険な事故や災害に立ち向かうことになるのだろう。
これから先も無事に帰ってきてくれるか――不安にならずにはいられない。
「……署のみんなの噂好きには困るな」
やれやれといって腕を解く。否定しないところを見ると、きっと事実なのだろう。
「だからこそ俺は真誉とは付き合わないんだよ。信頼できる男を見つけて引き渡すまでが俺の役目だ」
そんなふうに考えていてくれたんだ……。
予想通りではあったけれど、彼の口から聞くとなんとなく寂しくて悲しい。
「なるほど、真誉さんの恋人に立候補するのは難しそうですね。バックに恐ろしいお父さんが控えてるので」
ちょっぴりしょんぼりした顔で五十嵐さんが言う。私は苦笑しながら賄いランチを口に運んだ。
北斗さんが優秀なのは兄からも聞いていたけれど、そんな先鋭部隊に選ばれるほどすごいなんて。
誇らしい反面、ぞわぞわと胸の奥に闇が広がる。きっと今以上に危険な事故や災害に立ち向かうことになるのだろう。
これから先も無事に帰ってきてくれるか――不安にならずにはいられない。