愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
第三章 世界で一番精悍なオレンジ色
十月になり、今日から秋の新メニュー第二弾の展開が始まった。

第一弾はさっぱりめな味付けにしたが、第二弾はカボチャやにんじん、ごぼう、れんこんに豆乳と味噌を絡め濃厚に仕上げた。

「こんなにガッツリしてて、このカロリーってすごいね?」

注文した女性は驚き顔だ。初めて来店したお客様で、大きなスポーツバッグを抱えているところを見ると、上階のジムの利用者なのだろう。

「なるべく油は使わないで、脂質や糖質を抑えているんです。お野菜は素材の味が引き立つように、味の濃いドレッシングを避けて少量のスパイスで仕上げています」

ドレッシングだとカロリーが跳ね上がってしまうから、味付けは香草やスパイスで。

あえて素材を大きく切って形をごろごろ残すことで、ボリューム感を出し、視覚的な満足度をアップしている。

「市販のランチに比べると量自体は控えめですが、お野菜は食感がしっかり残るように調理していますから、食べ応えがありますよ」

野菜の色味も綺麗に見えるように工夫してある。食事は目から楽しむものだ。

「そういうの助かるな。今、ダイエット中であんまり食べられないんだけど、お腹ぺこぺこなんだ」

< 44 / 155 >

この作品をシェア

pagetop