愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
「それはそれで、仕事にやりがいを見つけられていいんじゃない? 事務や窓口対応なんて、なんの楽しみもないよ。ただ、お金のために仕方なくやってるって感じで」
「最初はそう思ってたけどさ。楽しい以上にしんどさが大きすぎて。俺だって金のためじゃなきゃやってられないよ」
美波まで一緒になって大きく頷く。
「私も第一志望の食品メーカーに入社しましたけど、ホントそう。好きより嫌な作業の方が圧倒的に多いんですもん。周りになんやかんや言われているうちにどんどん嫌になってきて」
「だよなー」
メーカー組は揃えたようにため息をついている。
自分が望んだ仕事に就いても、満足だと言える人は少ないんだ……。
仕事への情熱ではなく、ただお金のために働く、そんな感覚に虚しさが湧き上がってくる。
私は仕事にやりがいを感じているし、北斗さんもそう。ひとりでも多くの人を救うために、自ら望んで職務にあたっている。
兄だって、消防官という仕事に誇りをもっていた。
仕事に対する姿勢が全然違う。
ふと十倉さんの視線がこちらに向いた。
「乙花さんは? 今の仕事、どう? ……って、桜庭の前じゃ言えないか」
「最初はそう思ってたけどさ。楽しい以上にしんどさが大きすぎて。俺だって金のためじゃなきゃやってられないよ」
美波まで一緒になって大きく頷く。
「私も第一志望の食品メーカーに入社しましたけど、ホントそう。好きより嫌な作業の方が圧倒的に多いんですもん。周りになんやかんや言われているうちにどんどん嫌になってきて」
「だよなー」
メーカー組は揃えたようにため息をついている。
自分が望んだ仕事に就いても、満足だと言える人は少ないんだ……。
仕事への情熱ではなく、ただお金のために働く、そんな感覚に虚しさが湧き上がってくる。
私は仕事にやりがいを感じているし、北斗さんもそう。ひとりでも多くの人を救うために、自ら望んで職務にあたっている。
兄だって、消防官という仕事に誇りをもっていた。
仕事に対する姿勢が全然違う。
ふと十倉さんの視線がこちらに向いた。
「乙花さんは? 今の仕事、どう? ……って、桜庭の前じゃ言えないか」