愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
確かにそこまで胸は大きくないし、色気も万年お留守だし……。

って、そういうことではないのだ、きっと。

「まあ、紳士的な人だから、お兄ちゃんは彼に私を預けたのよね……?」

彼、吉柳北斗は兄の親友であり、私たち兄妹の幼馴染。

幼い頃に両親が離婚し、女手ひとつで育ててくれた母も大学一年生のときに亡くなり、以来、この一軒家で六歳年上の兄とふたりきりで生活してきた。

そして兄まで亡くなってしまった今、頼れるのは北斗さんだけ。

私たちの間には恋愛の『れ』の字も存在しない。超健全な『家族』なのだ。



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